社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
拓斗さんと私は身長差がかなりある分、足の長さもかなり違ってくる。
という事は必然的に違う拓斗さんと私の小幅で、拓斗さんにとっては普通に歩いてるつもりでも、私がそれについていこうとすると小走りになる。
間に合わない…!
すたすた可憐に歩く拓斗さんの背中をドタドタ不恰好で追う私。
「うわっ」
前触れもなく急に立ち止まる拓斗さんの背中に思いっきり顔面をぶつけてしまった。
「いてて、拓斗さん…?」
いきなり立ち止まってどうしちゃったんだろう?と拓斗さんの顔を覗こうと決意した時。
「社長!?」
向こうからそんな声が聞こえてきた。
向こうとは拓斗さんの前で、拓斗さんの後ろにいる私には見えない。