社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「おかえりなさいです」
「あぁ」
出迎えた私を見てニヤニヤなんて拓斗さんがする訳でもなく、私だけがニヤニヤしている。
そんな私の横を通り過ぎてった拓斗さんを見ていると、本当に私の事が好き?なのと思う。
でもそれを口にすれば怒られそうだから拓斗さんの背中を見て心で呟いた。
「あの〜、今日のお弁当はどうでしたか?」
お弁当箱を受け取りながらそう聞く。
良かった〜、今日もお弁当箱の中空っぽで。
「どうと言うのは?」
「えっとその、味とか。あとはバランスとかの感想をこれからの改善の為にも聞きたいです」
一言でもいい。
美味しくないでも不味いでもいいからお弁当に対する拓斗さんの感想が聞きたい。