社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
一言も言われないくらいなら、批判をこれでもかとけちょんけちょんに言われた方が嬉しい。
それで、欲を言わせてもらえば明日はこれが食べたい!とかリクエストを聞きたい。
「優子」
「はい」
「その、だな…」
拓斗さんの眉間に深く刻まれる皺に、謝らなくちゃと思いペコペコと頭を下げた。
けちょんけちょんの方がマシと言ったけどやっぱりムリだ。
私が勝手に作って渡しているお弁当の感想を聞くのは駄目なんだ。
うん、そうだよね…
「急いでご飯の用意しますね」
やばい少し鼻の奥がツンッとする。
泣くな、私!
拓斗さんは悪い事してなのに私がここでいきなり泣いちゃったら、お仕事で疲れてる拓斗さんを更に疲れさせてしまう事になる。