社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
でも、やっぱり…
そんな言葉をぶつぶつぶつぶつ呟きながらその場で彷徨いてると。
―――ガチャ―
唐突もなく部屋の扉が開いた。
「優子」
私が開けたわけではないから、そうなれば開けた人はたった一人。
それは拓斗さんだけ。
「優子」
「は、い」
怒られるのかな!?
そんな事を考えると恐く思え余計にぶわっと涙が溢れそうになる。
「すまなかった」
――えっ。
何か怒られるかと思っていたのに何故か拓斗さんは悪かったと謝ってきた。
「シチューの件。今、聞いた」
お義母さんは拓斗さんに言ったんだ…