社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「それに優子は自分が悪いと言ったが、優子は当たり前な事をしただけだ」
当たり前なこと?
「妻が料理するのは当然だろう?それに家族の分を作ろうと思うのも」
だから優子は悪くない。
そう言った拓斗さんはもう一度私にすまなかったと謝ってくれた。
「これからは気を付ける」
これからの事も考えて今がチャンス!
「あの、拓斗さん…」
もう部屋を出て行きそうだった拓斗さんを呼び止めるように私は口を開く。
「もう二度とすれ違わない為にも拓斗さんの携帯番号教えて下さい」
私は携帯を持った後、そのまま差し出すように拓斗さんに向けた。
「あ、あぁ」