社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
電話が終わって携帯を閉じた時、視界に入ったのは左薬指の結婚指輪。
ま、マリッジリング…
「うへへ」
まだ拓斗さんからもらったばっかりなのに既にこの指輪は私の身体の一部になった気分で。
そしてなによりこの位置に指輪が嵌まっているそんな現実にニヤニヤしてしまう。
「よーし!」
そんな青葉の声と共にガタッと微かにテーブルが左右に揺れる。
「青葉、どうしたの…?」
「今から行こう」
「何処に?」
「とりあえず病院」
び、病院!?
「大丈夫?」
「診察室まで一緒に行くから平気。恥ずかしい事じゃないから!大事な事だから!!」
「そうじゃなくて青葉の身体を心配してるの!」