社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
――それから拓斗さんといっぱい話す事が出来た。
拓斗さんと話す事が出来たと言っても、私が一方的にはなし続けたということなんだけど…
「何か要るか?」
「大丈夫です」
3回目のサービスエリア。
私はトイレもさっきの所でしたし、ペットボトルもまだ半分残っている。
「少し待っていてくれ」
拓斗さんが車から降りて一人になった私は、薬指を眺めてにんまりしながらシートベルトを緩め手足を伸ばすと自然に出てくる欠伸。
いつ着くのかなぁ…?
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「―…こ、優子。優子」
拓斗さんに名前を呼ばれ肩をゆらゆら揺らされた気がして瞼を上げる。