社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



「まあ、いい」

「そうですか?」

「詳しくは部屋で聞く」





詳しくって今ちゃんと説明したじゃないですか。


私はそう思いながら窓に視線をうつすと――





「なんで…」





私が想像してた光景はこうじゃない。


サービスエリアに並ぶ車とか、ビュンビュン抜かしていくライトとかそういう光景。





「どういう事ですか!なんでもう着いてるんですか!?」





それなのに今私の視線の先にはそれはそれは大きな貫禄がある建物があって、そして入り口にはお着物を着た人達はここで働いている仲居さん達?





「瞬間移動…?」

「違う」

「だったらなんでいきなりサービスエリアに居た私がここに」

「寝てたから気付かなかっただけだろう?」



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