社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
そして自分用にも何か一つ。
一生に一度の新婚旅行だから残る物で思い出せる物がほしい。
それでリビングにでも置いて、家事の合間にチラッと見てはニヤニヤ思い出せるような物が。
「それなら、明日買えばいい」
「明日ですか?」
「出来たてがいいだろう?」
出来たてってお饅頭とか?
私の欲しい残る物もその時に買えばいいっか。
「そうします」
――それから拓斗さんと夕飯の時間になるまでゆっくりしながらいっぱい話す事が出来た。
会話の内容はやっぱり私中心でそれに対し拓斗さんが頷き答える程度。
それでも嬉しくて私は終始笑顔だった気がするし、拓斗さんはというといつも通りでたまにクスリと目を細め笑ったくらいだったけどね。