社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
拓斗さんとの思い出をどんどん増やしていきたい。
あの時はあんな事があったてあの時の料理は本当に美味しかったですよね!っていつかそんな風な会話をお互い年を取った時に出来るように。
欲を言えばお揃いの湯飲みで暖かいお茶を飲みながら、近所から漂うキンモクセイの匂いを感じながらしたいな。
「いっ…」
忘れかけていた痛みが襲ってくる。
もう、なんで?
気にせず楽しみたいのに主張してくるなんて。
本当に嫌。
でも、この痛みはいつかの…
「赤ちゃん」
いつかはこのお腹に宿ってくれるならこの痛みも我慢出来る。
そう思うとこの痛みでさえも苛立ちが消え愛おしむ事が、出来るなんて本当に恋って凄いよ。