社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



―――ガチャ―





忘れてた…


寝室にベッド一つしかないという事を。





「優子?」

「……」

「どうした?」





寝室の扉を開けたまま立ち尽くす私を拓斗さんは不思議そうに見てきた。


とっ、とり、とりあえず。


中に入ってからどうするべきか考えよう。





「そろそろ寝るか?」





拓斗さんは持っていた小説を閉じ一つしかないベッドに横になる。


どうしよう。


ドライヤーを使ってる姿ですらものすっごく緊張してしまったのに、拓斗さんと同じベッドで寝るなんて急にレベルアップし過ぎな気がする。


かと言っても床で寝る訳もいかないし、八重さんに頼んで布団一式借りられないかな?


そうすればあっちの和室で…



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