社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
ドックンドックンバックンバックンと加速中の鼓動。
「優子」
それこそ息をする事がやっとの状態だから、拓斗さんに返事する余裕なんて今の私にはない。
だから離して下さいの意味を込めぶんぶん頭を横に振り続けていれば…
「分かった」
理解してくれたのかそう呟いた拓斗さん。
良かった…、とホッとしたのも束の間私の両脇にスッと手を滑らせたと思えば、私を羽交い締めするかのように肘を曲げ入れグッと私の身体を上へ上へと引き上げた。
「今夜はこうして寝ようか」
ななななななっな、なんでそうなるの?
こんな拘束されている格好で私が寝れるとでも思ってるの??
それに拓斗さんだって寝付けないはずだよ!