社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
きっとこんな体勢でこんな状況じゃなかったら、頬を緩め嬉しいです!と拓斗さんに伝えてるはず。
「なら、いいだろ?」
「……」
「優子」
返事は?と言わんばかりに私の耳元にグッと口を近付け名前を呼ぶ拓斗さん。
耳元に感じる拓斗さんの息がとてもこそばゆく、そして何より――
「優子」
すっごくすっごく痛い。
どんどん痛みが強くなってくるその痛みに…
「いっ、痛い痛い痛い!」
「優子!?」
我慢出来なくなった私は声に出した。
もう我慢出来ない…!
「足攣った!攣った足が痛いんです」
こんな無理な体勢を続けたからか足を思いっきり攣ってしまったみたい。