社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
なんかさ、数えてしまうんだよね…
天井とか窓の仕切りの数って何故だか分からないけど無意識の内に。
そうすると寝られなくなるからこうして潜っちゃった方がいいし、拓斗さんが目の前にいる状態では寝られないしね。
「――言えば許してくれるのか?」
えっ?
布団からひょっこり顔を出して拓斗さんを見つめる。
「だから、あれば冗談ですよ」
「本音を言えば許してくれるんだな?」
だからあれは冗談なんですってば〜
と、言うのを途中でやめたのはあまりにも拓斗さんの顔がキリッとしていたからで。
普通でもキリッとしている顔がいつも以上にキリッとしていると見てるこっちが緊張する。
「優子」
「は、は、はい」