社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
今日は仕事あるけど昼に会えないかな?と言ってくれた卓土さん。
その為、卓土さんと会うのは飯田コーポレーション近くの喫茶店になった。
「そうか」
「はい」
やっぱり変だ。
今日の拓斗さんは変だよ。
こんな状態で車の運転するのは危ないという事が分かる。
「行ってくる」
「お仕事頑張って下さい」
「あぁ」
「行ってらっしゃい、です」
片手を上げ出ていく拓斗さんはバタンッと扉を閉める時の一瞬に、チラッと扉の隙間から私を見てくれた。
でもそれは本当に本当の一瞬だったから、私を見るなんてどうしました?なんて言えないくらい。
拓斗さん…
やっぱり身体の調子でも悪いのかな。
すっごく心配だ。