社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
串田さんと呼ばれた人に視線を移せば、髪を後ろに流していて目は切れ長でそんな目に眼鏡もかけてる大人な雰囲気の人だった。
見た目で言えば拓斗さんと同年代くらいだろうか。
「拓斗は?」
「今は社長室で書類に目を通してます」
「そうか、分かった」
スタスタと歩き出したお義父さん。
その時、串田さんとバチッと目が合い思わず目を反らしてしまった。
と、とりあえず…!
頭を下げてお義父さんの後ろを歩いた。
―――コンコンッ―
お義父さんは扉をノックし…
―――ガチャ―
返事を待たずに開けた。
「親、会長…」
「ちゃんと熟してるか気になってな。偵察しに来た」