社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



「ちょっと待ってろ。今串田に連絡して病院を――」





そう言って携帯を取り出した拓斗さんの手をとめる。





「病院行かなくて平気です…!冷やせば大丈夫です、から」





足は熱いし痛いけど急いで病院に行く程ではない。




「傷が残ったりしたらどうするんだ?もしも、傷が残ったりしたら俺は優子の両親にあわす顔がない」





こんな状況でさえも、拓斗さんに心配してもらえてる事実に嬉しいなあって思う私は変なのかな?





「でも、優子の言葉も一理あるな。一先ず病院へ行く前に火傷した部分を冷やそう」





歩けるか?と拓斗さんは私の顔を覗く。





「歩けます」





――えっ。





「た、拓斗さん!?」



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