社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「それほど、唸る程痛いか」
「へ…?」
視線を顔を上に上げてみれば間近に拓斗さんの顔がある事に気付く。
近すぎて思わずひゃあ!なんて間抜けな声が出ちゃったけど、拓斗さんは全く気にしてはいない様子。
それ所かますます表情が曇っているような。
「行くのが嫌なら呼ぶか」
「呼ぶって何をですか?」
「出向くより往診を頼んだ方が早いだろ」
おっ、う、往診!?
大袈裟すぎない?と思っていると。
「少し捲った方がいいか」
「えーっと」
「服が濡れるのは嫌か。なら、悪いがスカートを脱がせる」
‘スカート脱がせる’
そんな拓斗さんの言葉に自分の顔が真っ赤になっていくのが分かる。