社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
ふぅ、と扉の前で深呼吸をした。
あれから拓斗さんがお風呂から上がり優子も風呂入ってこいと拓斗さんに言われて、ほんの少し前まで髪を乾かしていた私。
「あの〜、拓斗さん?お風呂から上がったので来ました」
扉をノックをしながらそう言えば…
「あぁ」
拓斗さんの声が聞こえてきた。
それって入ってこいという事なのかな?
いいんだよね…、と勝手に解釈しガチャっと拓斗さんの部屋の扉を開けた。
「少し待ってくれ」
そこにはチェアに座りパソコンに向き合う拓斗さんがいた。
待っててと言われた私はその場で立ち止まり、チラチラと見渡すと相変わらず黒と茶で統一されてて、部屋全体が拓斗さんって感じがした。