社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
吐息が部屋中に響いてるようにクリアに聞こえてくる。
恥ずかしいよ…
そう発言する事も出来ないくらい私は拓斗さんからずっと受け続けている。
手ってこんなに動くなんて知らなかった…
「優子」
「あ…っ」
「どうだ?」
そんなどうだって聞かれても…
「ド、キドキしてます」
こんなに密着してるから、私の胸の鼓動は拓斗さんに聞こえてるかもしれない。
冗談抜きでドッキドッキのばっくんばっくん状態だ。
「痛かったら―…」
‘痛かったら’
痛くなる理由は一つしか浮かばない。
いよいよなんだ…
そう思うと火照っていた頬がよりカッと赤くなっていく気がする。