社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



そんな姿を見てみたい気もするが流石にプライドを壊す訳にはいかない。





「では失礼します」





頭を下げ、踵を返せば…


仕事をしてるふりをし、俺と部長代理の会話を聞いてたであろう社員達が一斉に慌て仕事をはじめた。


全く、気付かないと思ってるのか?


特にその背が低い女。


コピー用紙が足元に散らばっている。





「ふっ」





思わず軽く笑みを溢した俺が数時間後に逆の立場になったとは誰も想像出来なかったはず。





‘佐渡、結婚って良いことだ。毎日幸せだけを噛み締めれる。堂々と社内で何かするのは構わないが…、立場をわきまえろ’





佐渡にそうたんたんと言い放った社長――、貴方だけはやはりかなわない――…





< 590 / 635 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop