社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
□Short story 6
Present
「はぁぁぁぁああ!?」
一際大きな青葉の声がカフェに響く。
カフェと言ってもここは以前来たことがあるオープンカフェで、だから店内にいる人だけではなく、通行人の人達が青葉の発した大声に何事かと振り返る。
「ちょ、青葉…!お願いだからもう少し声小さくして」
青葉は普通にしてて声が大きい。
そんな青葉が大声出せば大変なことになってしまう。
それなのに――
「ワンモア!」
バンッとテーブルを叩いた後、ドサッと座った青葉がそう言った。
それにしても青葉ってどうしてすぐに立ち上がるんだろう?
「じゃあ静かにしてね。どこから言えばいい?」
「ダーリンが戻ってきた所からよろしく」