社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「確か貴方は」
「ええ、課長補佐の小沢です」
「そうでしたね。小沢課長補佐、うちの社長を馬鹿にするとは小沢課長補佐は随分身の程知らずな様ですね」
えっ…!?
私はその声がする方に視線を向けた。
「何を言いたい?」
「社長を馬鹿にすると言う事は飯田を馬鹿にすると同じ意味です。貴方は知らないんですか?」
そこに立っていたのは紛れもなく拓斗さんの秘書の串田さん。
「どういう事だ?」
「どうとは?」
「全くはなしにならん。こっちはただ教育がなってない出来の悪い馬鹿女をしつけ治せといってるんだ!」
ぶつかってしまったおじさんがそう言いながらチラリと私を見た。
「訂正して下さい。その言葉を」