社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
拓斗さんの背中を見た時とか、お仕事が終り帰ってきてくれた時とか、いっぱいいっぱい。
それこそ数えられないくらいのギュッと抱き着きたい衝動に私はいつも襲われる。
「身体攣るぞ」
「そんな事は…」
「あるだろ?」
確かにある。
新婚旅行の時だって攣ったしその時以外にも何度か寝てる時に…
「大丈夫だ」
「拓斗さん…?」
「今夜ははなさず抱き締める。だから優子は力抜いてもう寝たらどうだ?」
拓斗さんは…?
なんて一瞬思ったりもしたけどすぐにあの日の言葉が頭を過った。
あの日からこうしてこのベットで一緒に寝るようになってから拓斗さんに、こんなふうに寝てたら身体辛くなりませんか?って凄く気になって聞いた時の事を。