社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
そんな私からの問い掛けに拓斗さんから返ってきたのは‘いや、寧ろ落ち着く。優子を抱き締める事によって俺は安心するのか良い睡眠を取れるから平気だ’という言葉だった。
その時を思い出しただけでもなんだか嬉しくて笑顔になってしまう。
「優子?」
思い出し笑いを隠す様に身体くるりと回す。
「今日はそっちを向くのか」
「駄目ですか?」
「いや、駄目ではない」
腕枕をしてくれている手とは別の手で私の頭を撫でるように梳く。
うん…
拓斗さんの顔は見れないけどこうして後ろから触られるのも凄く大好き。
「寝れそうか?」
「とても心地よくって…。気持ちがよくてうとうとしちゃってきました。ふわぁっ」