社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



折角だから拓斗さんに話そうかな?


と決めた瞬間に真後ろからとても規則正しい寝息が隣から聞こえてきた。





「ふふ、お疲れ様です」





拓斗さんのスケジュールはきっと私の想像を遥かにこえる忙しさなんだと思う。


それを毎日熟してここへ帰ってきて私の相手まできっちりしてくれる。


だから拓斗さんに言わない事にしますね。


只でさえ身体はくたくたなのにこれ以上荷を重たくしたくはないもん。





「大人に…」





もっと大人になりたい。


今よりもっとしっかりした時に拓斗さんに私の夢を聞いてもらおう。


私の夢は一人で叶えられっこないから。


だって私の夢は――


拓斗さんがパパに私がママになることだから。



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