社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「それならこれからは飯田さんじゃなく…。たぁ、た、くとさん?」
「あぁ。これからはそれで」
その時飯田さんへの呼び方が拓斗さんに変わった。
これも妻としての役目になるかな?
そんなこんなで…
「提出しに行くか」
――区役所に到着した。
もうすぐで私の名字は三浦から飯田になんて正直信じられない。
初恋がないまま結婚をしてしまうなんて、不思議だ。
世間的に一般なのはお互いが好きになって付き合い、それから月日が流れてからのゴールイン。
「緊張してるのか?」
「ちょっとだけ。結婚する実感がなくて…」
でも、私と拓斗さんの場合は出会った瞬間から結婚の事が決まって色々と飛ばしてる。