社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
□Shopping
「すみません」
「いいのいいのよ」
――夕方。
野菜を頂いたからお裾分けにとお義母さんがわざわざ持ってきてくれた。
「凄く立派ですね」
「そうでしょう?だから主人と私の二人では食べきれないのよ」
お義母さんにお裾分けしてもらえた野菜は今が食べ頃だという筍と春キャベツ。
この筍とキャベツを使ってどんな料理を作ろうかな?
またレシピを調べなきゃ。
「ところで優子さん」
「はい」
「拓斗はいつ帰ってくるのかしら?」
現在中国に出張中の拓斗さん。
「今日みたいです」
「そうなの?」
「はい。昨日の夜に中国にいる拓斗さんから届いたメールにはそう書いてありました」