社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「何をお探しですか?」
「ふふ、実は娘の洋服を探してるのよ。なにかおすすめの洋服でもあるかしら?」
お店に入るなり声をかけてきた店員さんに、お義母さんは娘という言葉を強調するかのようにはっきり言った。
「そうですね…」
店員さんはお義母さんの横に立っていた私に視線を移して、頭のてっぺんからつま先までジーッと見つめ。
「新作をご覧になりますか?まだ出してはいないのですがとてもお似合いになると思います」
「是非」
少々お待ち下さいませ。
と、店員さんはバックヤードに行ってしまった。
「早く見てみたいわね」
私も見てみたいけど…
新作ってやっぱり高いのかな?