【3】キャベツの男
(二)
 私は気になって、その日の会社の帰り道、彼の姿が見えない事を、早速、店長に聞いてみた。

「いつもキャベツを切っていた彼は、どうしましたか」

「辞めたのですよ」

「えっ、そうなのですか」

「キャベツを切る機械を入れましてね。でも、彼にやって貰う仕事は、他にもあったのですがね」
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