天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
だがしかし。

「ふんぬっ」

それでも千歳は立ち上がる。

幼少の頃からの忌まわしき呪いのような不幸体質。

そのお陰で何度も痛い目に遭い、時には命の危険にさえ晒された千歳であるが、その事は逆に彼女に尋常ならざる痛みへの免疫、打たれ強さを与えていた。

いまや不幸耐性ならば龍太郎か千歳かというくらいに、彼女は打たれ強くなっている。

「この程度…」

松葉杖を支えに何とか体勢を立て直す千歳。

「建築途中のビルから鉄骨が落ちてきた事を思えば、どうって事ないっ…!」

千歳が今日を生きられている事に、感謝。

ググッ、と力を込める千歳。

その拍子に。

「おぎゃっ!」

松葉杖がへし折れ、彼女は顔面から廊下に激突した。

これは地味に痛い。

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