天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
「つまりアレか…」

凍りつくような視線で龍娘が千歳を見下ろす。

いやん、女王様資質バッチリ。

「丹下の言い分からすると、今回のこの騒ぎの首謀者は幸多、お前という事になるな…?」

「まぁまぁ龍娘先生、そんなに叱らないであげて下さい」

目を細めて高成が笑う。

「幸多本人も、こんなに深々と頭を垂れて『踏みにじって下さい』とばかりに土下座している事ですし…」

(違っ!これ土下座じゃない!匍匐前進!)

千歳のツッコミも届かない。

「活きのいい生徒は大好きだぞ…なぁ?」

郷が自分の背後を見やると。

『キシャアァアァ!』とか何とか。

二匹の狐霊が実体化して凶暴な鳴き声を上げる。

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