天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
荏月vs.スペシャルバカ
龍太郎の教室。

「っくしょう…いってぇ…」

顔中に青痣赤痣切り傷擦り傷を数多こさえた龍太郎が、椅子に座っている。

その顔を。

「龍太郎大変だったね…痛いねぇ、痛いねぇ…」

『先生達酷いよね、こんなになるまで殴らなくても…』

右から遡雫、左から小夜が手当てする。

天神学園二大ちびっ子美少女に治療してもらえるとは、スペシャルバカの癖に生意気な。

周囲の男子生徒達が呪い殺すような眼で龍太郎を見つめる。

が、流石に喧嘩までは売らない。

本気で喧嘩したら、一般の生徒よりも龍太郎の方が圧倒的に強いのはわかりきっているし、今の龍太郎に手を出したら小夜が関節技をかけ、遡雫のそばにいる柿ピーが猛獣丸出しで襲い掛かってくるに違いない。

< 121 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop