天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
「もう二人ともやめてよう…仲良くしようよ…」

遡雫が二人の手を取って握手させる。

「はい、仲直り♪」

ヤン男が腰砕け骨抜きメロメロになるような愛くるしい笑顔を見せる遡雫。

しかし。

「何オモックソ握り締めてんだスペシャルバカ、あ?」

「この程度で思い切りな訳ねぇだろうがヤン男、こんなんほんの半分の力だぜ?」

ギリギリと万力のように荏月の手を握り潰しながら龍太郎が言う。

「は?半分も力使ってんの?俺なんてたったの三分の一だけど?」

言いながら握り返す荏月。

「いやいや、俺なんて四分の一だぜ?これ以上力出したら、俺のこの手が真っ赤に燃えるからな」

とか言いつつ更に力を込める龍太郎。

「痩せ我慢乙、俺は僅か五分の一」

「じゃあ俺六分の一」

「十分の一」

「百分の一」

「一千万分の…」

「百億万分の…」

小学生かお前らは。

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