天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
「あ…」

ふと、我に返る。

(あれ、言っちゃった、俺恥ずかしい事言っちゃった、遡雫に丸聞こえなのに『惚れた』とか言っちゃった)

ヤンキーとは粗暴な反面、とてもシャイな生き物である。

好きな女の子に告るなんて、とてもとても…。

恐る恐る振り向くと。

「ねぇねぇ聞いた?柿ピー」

遡雫が柿ピーにコショコショと耳打ちしている。

「お兄ちゃんあんなに大きい声で、『惚れた遡雫の為』とか言ってるよ?…照れちゃうねぇ、照れちゃうねぇ…」

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