天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
美葉の言い分は尤も。

電話を切った龍太郎は仕方なく挙手。

「おぅ先生、ちと美葉を迎えに行っていいか?いつもの奴らしい」

二時間目の授業は、折しも高成が黒板に向かっている途中。

何の授業かは読者各々で想像して下さい。

「おや」

クルリと振り向いた高成は爽やかに微笑む。

「ご苦労ですね丹下君。僕の授業がそんなにつまらないですか」

「いや、そうじゃなくて…」

「結構結構、どうぞダイナミック方向音痴を迎えに行ってやるという名目で僕の授業をサボって下さい。二学期が終わって冬休みになったら、また補習漬けにして年末年始も休まず嬲り上げて差し上げますから覚悟しろよクソ野郎」

こんな台詞をアイドルばりの笑顔で言うのだから腹黒い。

背筋が寒くなるのを感じながら、龍太郎は授業を途中退席するのだった。

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