天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
ポケットに片手を突っ込んで、もう片方の手で頭をガシガシ掻いて。

龍太郎は気だるそうに廊下を歩く。

『あれえ?龍太郎君また美葉ちゃん迎えに行くの?』

隣のクラスの小夜が、窓から顔を覗かせる。

「何だ丹下、授業中に何故ウロウロしている」

廊下で擦れ違った龍娘に、事情を説明する。

「おー丹下…お茶でもしていくかー…?」

緩々の保険医に声をかけられ、心霊保健室は嫌なので丁重にお断りする。

「何やってんだ丹下、お前もサボりか?」

曲がった事が許せない不良生徒とも遭遇し、煙草をすすめられるがこれも丁重に断る。

授業中とはいえ、色んな人間に声をかけられる。

流石フルボッコ有名人、歩いているだけで目立つらしい。

< 28 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop