天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
という事はつまり、先程から喋っていた龍太郎の台詞は全て独り言乙。

「あんの流離いの方向音痴どこ行きやがった!ちょっと目ぇ離した隙にいなくなりやがって!」

今来た廊下を走って戻る龍太郎。

思えば彼も甲斐甲斐しい。

勝手に歩き回る美葉をここまで真剣に捜索してくれるのだから。

案外面倒見のいい兄貴的性格なのかもしれない。

廊下の曲がり角を曲がると。

「!」

龍太郎は運悪く龍娘と遭遇する。

「丹下、廊下は…」

龍娘のチャイナドレスから伸びた生足美脚が鋭く閃く!

「走るなぁああっ!」

「うごほっ!」

宙を舞う龍太郎。

案外面倒見のいい兄貴的性格。

しかし悲しいかな、報われない…。

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