天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
そんな邪悪な企みには気づかず、荏月と遡雫の義理の兄妹は廊下を歩く。

「ねぇねぇお兄ちゃん、授業戻ろうよぉ」

「いいんだよ授業なんて。遡雫こそ授業戻んな?俺に付き合う必要はねぇぜ?」

ぶっきらぼうに荏月が言うと。

「やだ」

遡雫はヒシッ、と荏月の腕にしがみついた。

「お兄ちゃん戻るまで私もついていくぅ、ねぇ柿ピー?」

遡雫に応えるように、柿ピーが小さく吠えた。

「……」

スカした顔してるが、ヤン男的にたまらん。

内心超萌え。

遡雫かわいいよ遡雫ハァハァ、みたいな。

真性の変態だコイツ。

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