天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
実に危なかった。

物陰に隠れ、額にびっしょり汗をかいて、口元を吐血で汚しながら静寂は呼吸をを乱す。

奇病に冒されている割には柿ピーを振り切ったりしたが、そこは突っ込まない方向で。

(さてと…)

この分だとヤン男を標的にするのは諦めざるを得まい。

あの可愛い義理の妹を悲しませるのは良心が傷むし。

(遡雫かわいいよ遡雫ハァハァ)

お前もか。

…それはともかく。

(さて…ならば別の標的を探さなくては)

ふと窓の外を見た静寂に。

「お」

黒髪短髪隻眼の侍風体育教師が目に留まった。

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