天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
しばらく経っても、尻の痛みは引かなかった。

川蝉の一撃が峰打ちだったからいいようなものの、刃で打たれていたら尻が四つ割れになっている所だ。

「くそっ、暴力教師め。僕が学会に認められる人体力学者になったら覚えてろよ」

尻を擦りながら、廊下の壁沿いに手を付きつつ歩いていた静寂は。

「!」

思わず身を隠す。

その視線の先には。

「やれやれ、やっと制服乾いたぜ」

男子更衣室から出てくる龍太郎の姿があった。

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