天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
しばらくの間、龍太郎を尾行する静寂。

しかし、五分経っても十分経っても、龍太郎にそれらしき変化は現れない。

注入した量が少なかった?

いや、きちんと分量を計算して注入したのだ。

薬品の量が少なかったという事はない筈。

だが、龍太郎には結局何の効果も表れないまま、四時間目の授業へと戻ってしまった。

「…………」

首を傾げる静寂。

おかしい。

偉大なる人体力学者の自分が、実験に失敗したというのか?

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