天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
とはいえ、どんな信条やポリシーも空腹には勝てない。
「腹減ったなぁ…」
渡り廊下の手摺りにもたれ掛かり、溜息をつく龍太郎。
そこへ。
「そこな大うつけ」
檜扇片手に優雅な振る舞いで、一人の男子生徒が歩み寄ってきた。
河原院 融だ。
「どうした?普段から冴えぬ顔が、今日は一段と冴えぬでおじゃるな?」
「うるせぇ公家!」
とりあえず怒鳴ってみるものの、すきっ腹に大声が堪える。
「ほれほれ、かような蛮声を上げると空腹に沁みるでおじゃろう」
そう言って。
「これでも食うか?ん?」
融が龍太郎に差し出したのは、竹の皮に包んだ二つの塩にぎりだった。
「腹減ったなぁ…」
渡り廊下の手摺りにもたれ掛かり、溜息をつく龍太郎。
そこへ。
「そこな大うつけ」
檜扇片手に優雅な振る舞いで、一人の男子生徒が歩み寄ってきた。
河原院 融だ。
「どうした?普段から冴えぬ顔が、今日は一段と冴えぬでおじゃるな?」
「うるせぇ公家!」
とりあえず怒鳴ってみるものの、すきっ腹に大声が堪える。
「ほれほれ、かような蛮声を上げると空腹に沁みるでおじゃろう」
そう言って。
「これでも食うか?ん?」
融が龍太郎に差し出したのは、竹の皮に包んだ二つの塩にぎりだった。