天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
が、立ち去ったのも束の間。

「きゃあぁああぁあぁあぁぁっ!」

階段を降りかけた龍太郎の耳に、女子生徒の悲鳴が届いた。

この声…先程のモブキャラ女子生徒のもの!

素早く踵を返して渡り廊下へと戻った龍太郎の見たものは。

「お前…!」

背後から女子生徒を抱きすくめる融の姿だった。

「何じゃ…戻ってきたのか大うつけ」

またも妖艶な雰囲気を纏いながら薄笑みを浮かべる融。

「野暮な奴よのぅ…逢瀬の一時に首を突っ込むとは…そちとて空気は読めるでおじゃろうに」

< 66 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop