天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
融の扇が、パタン、と閉じられる。

「人外と一口に言うても、千差万別でおじゃる…血を啜り肉を食む無粋な輩もおれば、肉体には掠り傷すら負わせず『魂』のみを食らう者もおる…」

「てめぇが食ったのは…その『魂』の方かよ!」

最早問答無用。

龍太郎は一気に間合いを詰め、融の顔面目掛けて拳を突き出す!

その拳を。

「話は最後まで…」

融は扇で捌き。

「聞かんか大うつけ」

龍太郎の突進力を利用して床に引っくり返す!

「ぐあっ!」

固い床に叩きつけられて声を上げる龍太郎。

「まだ説明は途中でおじゃろうに…」

呆れたように融は溜息をついた。

「大うつけ、『淫魔』というのを知っておじゃるか?」

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