天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
「わかってねぇのはてめぇだ、公家野郎…」

叩きつけられたダメージがまだ残っているのか。

微かに体を震わせつつも、龍太郎はヨロヨロと立ち上がる。

「あの女子生徒は、悲鳴を上げたんだぞ?」

「ぬ?」

龍太郎の言葉の意味がわからず、訝しげな表情を見せる融。

「悲鳴を上げたんだよ。てめぇは何の気なしに、ちょいと精気をもらうだけのつもりだったか知らねぇが、あの女子生徒は恐怖を感じて悲鳴を上げたんだ」

伸び上がるように立ち上がった龍太郎は。

「『怖い』と思わせた時点で、もう『害』なんだよ公家野郎!」

かたくかたく握り締められた右拳を、融の顔面に叩きつける!

< 72 / 187 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop