天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
無論、拳は当たらなかった。

細身にも関わらず、どこからこのような力が出てくるのか。

融は扇の先で龍太郎の拳を受け止める。

そこから先は、微動だにできない。

毎日のように肉体の鍛錬を続けている龍太郎が、華奢な融を押し切れない!

そんな融がヒラリと舞うように扇で拳の軌道を逸らすと。

「ぐあっ!」

押す力を利用された龍太郎は、つんのめるようにしてまたも地面にうつ伏せに倒れる。

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