天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
今も今生の別れの如く後ろ髪引かれる思いでこはくと別れた翡翠は、昼休み終了のチャイムが鳴るギリギリで職員室に戻ってきた。

「本日も仲睦まじい事だな、夕城」

そばの事務机に足を組んで座っていたチャイナビューティーが声をかける。

深くスリットの入ったチャイナドレスから伸びる美脚は、男ならば誰もが垂涎の思いで視線を注がずにはいられまい。

……愛妻家の翡翠を除いて。

「龍娘先生、翡翠先生にはそんな皮肉通用しませんよ。照れてる割には行為を改める気はありませんから。衆人環視の羞恥プレイが余程お好きでらっしゃると見ましたが」

高成の毒舌が今日も冴え。

「おっと」

川蝉の薄く青みがかった刃が高成の鼻先に突きつけられる。

「これは失礼…翡翠先生はともかく、奥方を貶めるような発言はお嫌いでしたね…以後気をつけますから職員室で抜刀は勘弁して頂きたい…」

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