天神学園高等部の奇怪な面々Ⅸ
「次」

地面に転がっている龍太郎を足で避けながら、翡翠が言う。

「うわ、使えねぇスペシャルバカ」

「フルボッコにもなってねぇ、一撃かよ」

「最短KO記録じゃね?」

生徒達が口々に言う。

「じゃあ私達の出番だね、葉也」

「ん」

龍太郎亡き後(死んでない)、このクラスの最後の希望はもう彼女達しかいない。

黒部姉弟。

双子ならではの連係プレーを見せてもらいたい所だ。

「二人掛けか?一向に構わんぞ」

無形の位で黒部の双子を迎え撃つ翡翠。

…校庭の木陰で、レーヴがZZZ…と居眠りしている。

その鼻ちょうちんが、パチン、と弾けた瞬間。

「いくよっ!」

「応!」

美葉と葉也は突っ込んだ!

どちらも翡翠のいない、明後日の方向へ。

「「「方向音痴キターッッッ!」」」

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