二人二色
『こんな場所…この街にあったんだ…』
自然と口からそう言葉が零れた。今まで引っ越した事もなければ引っ越して来た訳でもないのに初めて見る物静かな新しい街に俺はしばらく足を動かす事が出来なかった。

『商店街から近いけど…何もないからあんまし…人がこないんだ』

佑樹はそう言い終わると右手をそっと上げて小さな昔的な喫茶店を指差した。外見は小さく少し汚れた店は懐かしい雰囲気をかもしだしていた。
カラン…。
薄汚い店の扉を開けると振動で音が鳴る。
外見は決して…お世辞にも綺麗とはいえないものの中は凄く整っており…昔のジャズが流れていた。
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